
このところめっきり冬らしくなってまいりました。病院周辺の樹々も赤や黄色に色づき、今月は病棟や外来の患者様方との〈紅葉狩り〉が計画されています。さて、院内では年末へ向け患者様もスタッフも冬支度を始めておりますが、当院でも先日より“インフルエンザの予防接種”を行なっております。今年のワクチンは新型インフルエンザ対応型となっています。効果は、5か月前後ということですので来年の春頃までの効果が期待できます。最近はマスコミでもあまりインフルエンザ感染は取り上げられませんが、一度流行しだすと、驚くべき早さで感染が拡大しますので、接種したからといって気を抜かず、うがいの励行や手洗い等、予防対策にも気を付けていこうと思います。〈北浜クリニック〉の方は残念ながら閉院の運びとなり、あと1ヵ月の診療となりました。ご通院の患者様方へは、今後の治療についてオレンジ病院へ転院されるか他クリニックへのご紹介となるかのご案内をしております。しばらくご迷惑をお掛けする日々が続こうかと思いますが、ご理解・ご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
さて、2009年5月より、“月1回、更新”を目標に続けてきた当ブログですが、今回にてしばらくの間、お休みさせていただきたく思います。楽しみにしていただいていた方もおられたようで、時折感想などお伺いしました。誠に申し訳なく思いますが、業務的に少し余裕を持てなくなってきたというのと、情報提供する素材切れといった事情もあり、暫しの間〈充電期間〉を設けさせていただければ、というのがその理由です。とはいえ、診療の方はこれまで通り真摯に取り組ませていただきますので、当方へのご質問・ご意見等、ございます際は、直接メール
(umraut@hotmail.com)をお送りいただければ、お応えして参ります。
ところで最後に。先日ひょんなことから昔の友人に大学時代の音楽系サークルのコミュニケーションページ(HP)を作るよう、依頼されました。これがいざ始めてみると、懐かしいやら、面白いやらでハマってしまい、当時は気付かなかった様々な感動が蘇ってきました。そこでつい、調子に乗って自分のこれまでの音楽療法に関する仕事
〈オレンジ式コードパターン即興技法〉や、ここ数年個人的に取り組んできたピアノ曲集
〈dis-Piano〉のページもついでに作ってしまいました。興味を持たれた方は、お暇な折にでもご覧いただければ嬉しく存じます。この頃は、ほぼ無料でサイトを持てるので便利な時代になったものです。しかしその一方、不特定多数の方がアクセスされるため、表現や内容に気を付けないと誤解を生じることもあったりします。当院ホームページやこのブログも個人情報や表現内容には心を砕いてきたつもりですが、不適切な点などがございましたら、この場を借りて陳謝申し上げます。
それでは、これから寒さ厳しい季節となります。皆様におかれましてもお身体を十分ご自愛くださればと存じます。また、当ブログを再開し、お出会いできる時を楽しみにしております!
2011年11月16日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
※当ブログは、非個人的情報発信という性質のコンテンツですので、コ
メントの書き込みはご遠慮申し上げております。ご意見・ご質問等ござ
います際は、当院ホームページよりメールいただければ幸いです。
# by orangehospital | 2011-11-16 19:47

10月も終わりに近づき、めっきり秋らしくなって参りました。当院周辺の樹々も色づき始め、そろそろ冬支度を始めようかという今日この頃です。秋は、私達の業界では学会シーズンなので医師も看護スタッフも出張へと何かと忙しく過ごしております。今年の看護研究テーマは“喫煙・禁煙意識調査”でした。昨今の喫煙に対する厳しい風潮もあり、昔に比べればタバコを吸う患者様方も減った印象を受けます。それでも入院生活での多いとはいえない楽しみに一つとして喫煙は位置付けられているため、愛煙家の患者様方は病棟内の喫煙スペースを利用してささやかな憩いを楽しんでおられる様子です。タバコ税の引き上げや、〈完全禁煙〉といった病院も増えてきているため、そのような方にとっては、今後ますます厳しい時代へ突入していくことになります。さすがに高齢者病棟は火の元の心配もありますので、完全禁煙となっております。我々医療従事者も副流煙の影響も考慮しつつ喫煙マナーには十分気を付けていこうと思っております。
さて、先月のブログで北浜クリニックの診療体制の変更をお伝えしましたが、今回はさらに残念なお知らせをしなければなりません。昨今の医師不足の影響もあり、当院においても指定医確保が以前から大きな課題でした。このたび現実的にそれが困難となってしまったため、本年12月15日をもって〈北浜クリニック〉の閉院の決定せざるを得なくなりました。今まで通院頂きました多くの患者様方におかれましては、多大なご迷惑をお掛けすることをこの場を借りて深くお詫び申し上げます。閉院までの間、他院への転院・杵築オレンジ病院への移行、等、責任を持って対応させて頂きたく思いますので、何卒宜しくお願い申し上げます。私も今まで同様、地域医療への貢献・患者様に選ばれる病院、を旨としつつ歩んで参りたいと、気を引き締めております。
ところで最後に。この頃はTVなど観る機会が少なかったのですが、というよりTVをつけてもお笑いばかりで(お笑いが悪いわけではないのですが…)、少々辟易としていました。おまけに歳のせいか集中力も続かず、すぐにチャンネルを切り替えていました。ところが先日、偶然診療の合間(?)の昼間に点いていたTVでドラマをやっていて、観ていたらとても面白かったので途中で止められず、珍しくビデオ予約をして観るようになりました。〈製パン王キムタック〉という韓流ドラマなのですが、今の日本のドラマには無いドラマティックな展開と純粋な主人公達の生き方に思わず引き込まれてしまいました。一時〈冬のソナタ〉が流行り、韓流ブームと言われていましたが、今は第2次のブームだとのことです。「こんなのにハマるなんてあほらしい」と韓流スターに群がる中高年の(?)女性達を信じられず見つめていたのですが、久々に感動してしまいました!そういえば、韓流好きの患者様などもおられ、今後は少し話が合うかな、と思うこの頃です。
2011年10月27日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-10-27 21:08

彼岸も過ぎ、朝・晩と寒くなり急に秋めいて参りました。院内の患者様方も衣替えのシーズンとなったようで長袖姿の方も段々と増えてきました。先日、高齢者病棟では運動会を行ないました。運動会とはいえ当院の高齢者病棟は平均年齢が80歳を超えてきたので怪我をしないように「玉入れ」や穴をあけたシーツを使ってぬいぐるみを落としていくという「ポップコーンゲーム」といった安全な競技をするようにしています。またここ数年は、家族の方にもおいでいただき〈家族会〉を兼ねて開催するのが恒例となっていますが、その際日頃の病棟での患者様方の様子をビデオで上映しています。普段は臥床しがちなご自身の親御さん(患者様)等が明るく元気に活動されている姿を観られ、ご家族の皆様には大変好評をいただいているようです。いっぽう成人病棟でも先日運動会を行ないました。そちらの方は「パン食い競争」や「玉転がし」といった活動的なメニューでしたが、事故も無く盛況な会となりました。これからは深まりゆく秋らしい活動が増えてくるものと思われます。
さて、当院では10月より北浜クリニックの診療体制が水・木曜日のみの午前・午後診察となるのを受け、病院の方でも若干の曜日担当を変更することになりました。詳しくは病院ホームページをご参照くださればと存じますが、患者様方におかれましては大変ご迷惑をお掛けすることになり、誠に申し訳ございません。今後も今まで通り真摯に診療に取り組む所存ですので、ご理解・ご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。最近の診療上のトピックスとしては、やはり認知症・うつ病の方々の受診が増えていて、とくに〈うつ病〉に関しては、昨今話題によく上る比較的若い方々のいわゆる“新型うつ病”が多いようです。職場での適応困難が受診のきっかけとなりますが、当方の経験からすると2~6か月前後で回復される患者様が多いので、「この頃何かこころの調子が良くない」と思う方は、独りで悩まずご家族や上司の方に相談され早めに受診されることをお勧めします。
ところで最後に。先月PSW(精神保健福祉士)について書きましたが、この頃は他病院からの紹介の際、MSW(ソーシャルワーカー)の方が間に入り患者様の情報を交換し、入院調整などを行なうケースが増えてきました。そう言われてみると当院にも有能な(?)男性PSWが待機しており、患者様が利用されると有利な支援制度の案内や面倒な法的手続きの代行、時には心理的なサポートなど…。懇切丁寧に対応してくれています。医療は患者様と医師や看護師の間だけで行なわれているのではなく、そのようなひと同士の触れ合いが、時として薬以上に大切だなぁと、日々実感しています。当院受診の折、気軽にお役立ていただければ幸いです。
2011年9月25日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-09-25 20:37

立秋も過ぎ、お盆が近づいて参りました。とはいえまだまだ暑い日が続いています。院内では19日に開催される〈供養盆踊り〉へ向け、患者様方とともに踊りの練習に励んでいます。当地の盆踊りは太鼓の拍子に合わせ“くどき(台詞に今でいうラップ調の節をつけて唄うもの)”が入るという県北スタイルのものが主流ですが、なぜか当院ではそれに加え〈2000年音頭(北島三郎)〉を最後に踊ります。これはある踊りの上手な患者様の提案で、彼に指導していただきながらもう数年この流れで行なっています。大きな円を作り、団扇を使って踊るのですが、サブちゃんの威勢の良い歌声とお目出度い曲調がとても合っており、夏の終わりを心地良く彩ってくれます。今年も職員手作りの屋台とともに楽しいひと時が過ごせるのではないかと思います。そういえば先日、別府市出身の入院患者様から「〈別府音頭〉は踊らんのかぇ?」というお話をお聴きし、同地出身の私としては少し嬉しい気分になりました。別府には盆踊りのために多くの音頭(ヤッチキ、温泉踊り、別府八湯節、など)があり、そのどれもが名曲揃い(!)で私も近くの公園等からそのような音が聞こえてくると、つい出掛けて見入ってしまいます。
さて、当院では時折、看護実習やPSW(精神保健福祉士)実習、そしてこの頃では近くの高校の生徒さんの〈一日職場体験〉等があり、いろいろな方々が出入りされています。先日も作業療法体験ということで、学生さんが見えられました。昨今の社会状況を反映してか「何か資格を身に着けて…」という若者が増えているようです。しかしその一方、当地のような地方での看護師不足は深刻な問題だったりもします。精神科の臨床現場は一般の方々からすると少し敬遠されるのかもしれませんが、実際に患者様方と関わってみると、“互いの関係性”について、支援する我々の方が逆に学ぶ事がとても多いと実感しています。先日も当院を退院された患者様方が二人揃ってお見えになられ、「暑い毎日ですねぇ」などと話していると、彼らは暑さにも負けず日々就労支援事業所へ通い、休みの日には時折自転車で仲良くツーリングを楽しんでいる、というような話を伺いました。そういえば、そのように生活のひとコマを緩やかな景色を眺めながら私自身は楽しめているのかな?と考えてみたり、またある患者様は時々メールを下さり、ちょっとしたユーモアを投げ掛けてくれたりします。当科の現場は、“薬が良く効き治りました”という明確な答えがすぐに戻ってくる職種とは異なるかもしれませんが、長く関わる中で、とてもやりがいを持てる仕事のような気がします。若い方々にも是非多く関わっていただければと願っています。
ところで最後に。〈有朋自遠方来。 不亦楽乎。(友あり、遠方より来る。また楽しからずや);論語〉という言葉を皆様も学生の頃、国語の授業で習ったことがあろうかと思います。お盆は里帰りのシーズンです。私も今年は数年ぶりに高校時代の友人が四国より帰省し再会する予定になっており、とても楽しみにしています。思えば、大人になるとなかなか遠慮のない人付き合いが出来難くなるもので、懐かしい話や現在の互いの状況など、久々に語り合い、束の間のリフレッシュを味わってきたいと思います。
2011年8月11日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-08-11 21:16

7月に入り、相変わらず不安定な天候が続いています。梅雨明けまでもう少しといったところでしょうか?病院ではホームページにも書かれていたようにこの鬱陶しさを吹き飛ばそうと〈スポーツ大会〉を開催したり、高齢者病棟では、先日プロジェクターを使い大画面で〈映画鑑賞(寅さん)〉をしたとのことでした。今月はなぜか〈バイキング〉が企画されているようで、毎年病棟の恒例行事になっております。皆様も日頃食べる機会の少ない、ピザやクレープなどのモダンな(?)メニューが飛び出すので楽しみにされている方も多いようです。(誤解無きように申せば、当院の給食メニューは、他院と比べても決して引けを取らないと自負しております)いずれにせよこれから夏本番に向け患者様方も暑さにやられぬよう、体調管理に気を付けたいと思います!
さて、先日当地では近隣の障がい者を取り巻く幾つかの施設が集まり〈心のリハビリ交流会〉が開催され、当院からも10数名の患者様方が参加されました。福祉センターで“グランドゴルフ”を行ないました。おしくも当院は優勝を逃したようですが、他施設の方々とのふれあいがたいへん良い意味での癒しや刺激になったご様子で皆様楽しまれたようです。近年の障がい者自立支援の流れもあり、この頃は精神障がいに罹られたとはいえ“入院”することは、以前に比べ格段に減ってきており、地域の就労支援事業所(作業所)へ通所しながら、パン作りや農作業、パソコンによる名刺作りや地域美化活動など、皆様多岐に渡り、活躍されています。日本は欧米に比べ人口当たりの精神科病床が多いと言われておりますが、外来診療をしているとそのような関連施設の方々とコラボレーションすることも多く、そんなに遠くないうちに我々のような精神科病院の役割も見直される時が来るだろうということが肌で感じられます。しかしその一方、価値観の多様化や個人主義の広がり等に伴い、長い間〈ひきこもり〉を続け、もう発病から何年も経過したと思われる患者様のご家族からの相談も決して少なくはありません。どのような病(やまい)も早期発見・早期治療が望まれるのは当然ですので、気になるご様子があれば早めに受診・相談にみえられることをお勧めいたします。
ところで最後に。当院では週に何度か大学病院の医師に当直へ来ていただいております。大学での勤務時間の関係もあり、彼らが帰るそのタイムラグを埋めるため私が早出をしています。そんな時はよく通勤途上にある「デ○弁」に立ち寄り、弁当を買って行くのですが、私はそれをささやかな楽しみとしています。しかし、弁当屋さんのメニューは実に良くできたもので「このおかずとこのおかずが入れ替わっていればベストなのだがなぁ」といつも悩まされます。もう何度も何度も行っているので内容は熟知しているのですが、なぜかしら「今日こそは!」と心の中で期待し、ショーウィンドウを覗き込みます。しかし当然の如くそこにはいつもと同じメニューしか無いため、そこでまた「う~ん」と悩み、結局は3つ程の自分のパターンから選び、すごすごと出てきます。朝から何か腑に落ちない敗北感を抱えたまま、店を後にし、また車に乗り職場を目指すという日常が繰り返されるのです。パターンを変えられる人変えられない人、2種類のタイプがあるとすれば、私は完全に後者で、そういう自分が時々嫌になったりしますが、これも仕方ありません。とはいえ、また次の早出の朝にはどこか期待をしながら挑戦者の気分でその店に吸い込まれていくであろうことは火を見るよりも明らかだったりします。弁当屋さんでもバイキング形式を取り入れれば良いのに、と切に希望いたします。
2011年7月2日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-07-02 16:44

初夏になり、過ごしやすい日が続いたかと思えば、先週末より雨模様の気候となり、そろそろ九州南部では梅雨入りか?というこの頃です。病院では今週、高齢者・成人各病棟とも、農業文化公園や田ノ浦ビーチへの〈お出掛けレクレーション〉が企画されていたり、外来患者様方との作業療法では近隣施設との〈グランドゴルフ交流会〉が予定されていたりと、行事が目白押しの一週間なので「週末までは何とか晴れてもらいたいなぁ」と願っています。どうしても風景に変化の少ない病棟内で過ごされる患者様方にとっては、外出の機会は貴重なひと時であったりします。これ以上暑くなると熱中症が心配になるため、6月以降、夏が終わるまでは院内での活動が増えていきます。
さて、以前より当ブログでも触れて参りましたが、当院では音楽活動を多く取り入れています。前院長(故 鶴岡一倫先生)以来当院の特色の一つでもありますが、その鶴岡先生が1997年に発会された〈NPO大分音楽療法研究会〉という組織があります。私も昨年度末までの約10年間、会長を務めておりましたが、今年度からその職を退き、顧問という形で後方支援することになりました。音楽療法は「音楽の持つ生理的・心理的・社会的機能を、心身の治療やリハビリへ役立てる」ということで、障がい児童療育や精神科・高齢者・身体リハビリ医療などの分野で多く取り組まれています。現在は日本音楽療法学会(会長は“行き方上手”の著作で有名な日野原重明先生)が設立され、音楽療法士の養成や作業療法や理学療法のように国家資格化へ向け取り組んでいます。とはいえ、音楽という主観的な素材を治療として位置付けるためには困難な要素も多くその道程はなかなか遠いようです。私も医師という立場でその普及・啓発に関わっていると幾つかの自己矛盾(一例としては音楽を治療に結びつける能力を持つ療法士を国家資格にたえ得る程に多く育成できるのか?)を抱えておりました。今回、一支援者として会に関わることになり、またゆっくり考えてみる良い機会となりそうです。会自体は大分県内の実践者約60名が参加し、2か月に1度勉強会を開催しております。初心者の方でも温かく迎えていただける緩やかな集まりですので、興味のある方は私までご連絡くださればご案内いたします。
ところで最後に。先日両親を連れて彼らの故郷である山香町までドライブをしてきました。両親も徐々に加齢に伴う認知機能の低下が見られるようになってきたこの頃で、最近は買い物へ行き、途中買う物を忘れそうになったり、前日食べた物を思い出せなかったりと、いうことがあったようです。私もつい家族ゆえの厳しい視点で「今日は何月何日か覚えちょるかぇ?」などと会えば尋ねたりする日常です。ところがそのドライブの途上、私の方が道に迷っていたところ、いきなり後部座席から「そこは右じゃ、ここを真っ直ぐに行け!」と父親の的確な指示が入り無事目的地へ辿り着くことができました。よく“高齢者に回想法を”と言われます。私自身は「いつも昔ばかりを振り返っていても良くないのでは?」と懐疑的になったりしておりましたが、故郷の廃屋に着き、どこか懐かしげに満足そうにしている親の様子を見ていると、(回想というよりも)懐かしみによる癒しも良いかも?と再考致しました。
2011年5月23日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-05-23 22:00

桜も満開のこの頃です。院内で恒例の〈花見〉は、今回は小規模に開催しようということで、今日はとても暖かく晴れた一日でしたので、ベランダで病院周囲の桜を眺めながら茶話会をしました。バスを借りて大勢で移動するのも良いですが、穏やかに緩やかに花を愛でるのもなかなか風情があって味わいがありました。患者様方も、鳥のさえずりに耳を澄ませたり、お茶の香りを楽しんだり、と五感を刺激され、とても気分の良いご様子でした。
さて院内では時折、製薬会社の方をお迎えして新しい薬の勉強会を行なっています。この10年で、精神科薬物療法もずいぶん様変わりしました。統合失調症に関しては非定型抗精神病薬の相次ぐ登場、うつ病に関してもSSRI、SNRI、NaSSAというカテゴリーに分類される新規抗うつ薬が、それぞれ数種類発売され、大きな治療効果をあげています。(アルツハイマー型)認知症に関しては、昨年まで治療薬はアリセプトのみの一種類に限られておりましたが、今年になり数種類の新薬が発売される予定になっています。認知症治療においてもいよいよ新しいページがめくられるようです。当院にも認知症を抱えた多くの方々がお見えになられます。少子高齢化の問題は、地方へ行けばいくほど深刻な問題で、患者様を連れてみえられた方がもう既に高齢者という〈老・老介護〉の現実は、当地では深刻な問題となっています。最近はMCI(Mild Cognitive Impairment;軽度認知障害)という概念が盛んに取り上げられております。これは、①認知症とまではいかなくとも物忘れを自覚しており、②周囲(の人)の情報からは客観的に記憶障害があるが、③日常生活は基本的に保たれている、といった状況を説明しています。このような方には生活改善、①食習慣(野菜;ビタミン、βカロチン、青魚;DHA、EPA、や赤ワイン;ポリフェノール、の摂取)、②適度な運動、③他者との交流を持つ、④知的行動療法(読書、ゲーム→脳トレ)、等が推奨されていますが、程度によっては抗認知症薬の予防的投与も考慮されているようです。私自身もこのところ物忘れを自覚しており、机の横のカレンダーに予定を書き込んでは毎日それを確認しつつ業務に励んでおります。
ところで最後に。年度替わりにあたり当院でも職員の出入りがありました。それぞれの事情により去って行かれた方がいて、センチメンタルに暮れている暇もなく4月になればまた数名の方が入ってきました。もう何年も前のこんな時期、ある緩和ケアの勉強会へ行った際、ゲストにみえられていたどこかの和尚さんの話を思い出しました。―〈ひとを看取る・看護する〉の『看』の字は、目の上に手と書きます。たとえばモンゴルのゲルのような場所にみんなで暮らしていて、ある時、ある男が、事情があってどうしても遠くへ旅立たなければならなくなりました。他の人もそのことは暗黙のうちに解っていて、その旅立つ彼を見送らなければなりません。大きな荷物を持ってその男は独り旅立っていきますが、見送る者は皆、じっとその様子を見守っています。旅立つ男の姿が遠く、いつの間にか見えないほど小さくなっても、それでもじっと眼の上に手を翳しながらその姿を探し、ずっと見送っていました・・・。物理的な関係性は途切れても心は繋がっている。ひとを看取るとか、思い遣るというのは、こんな姿に例えられませんか?―というようなお話でした。今年度も職員間のチームワークを大切にしつつ、歩んでいこうと思います。
2011年4月7日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-04-07 22:59
彼岸になり、寒さも和らいだ今日この頃です。テレビでは連日、震災の報道がされております。被害に遭われた多くの方々へ心よりお見舞い申し上げます。また、一刻でも早く復興の日が訪れることをお祈りいたします。
2011年3月21日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
# by orangehospital | 2011-03-21 21:24

節分も過ぎ、先日までの寒さが嘘のように穏やかな春の気配が感じられるこの頃となりました。病院周囲も段々と賑やかになってきているようで、鳥に詳しい患者様などは「ヒバリがおるみたいやけど、まだ上手く鳴けずに練習しよった」など、季節の移ろいを教えてくれたりします。院内ではSST(社会技能練習)で豆まきをしたり、今月末には神楽鑑賞会が行われる予定です。大分市から“羽田神楽”の皆様がおいでになり、高齢者病棟ホールに100名以上の患者様方が集まり見物するのですが、ここ数年の恒例行事になっています。〈蛇切〉や〈岩戸〉など、その年々によって演目も趣向を凝らしていただいているため、入院の皆様も楽しみにされています。
当院ではこのところ高齢の方々の入院が多いため、本来であれば高齢者病棟に入院されるべき方達が、空床待ちの間、成人病棟で過ごされることが増えてきています。最近はどの(精神科)病院もその傾向かと思われますが、入院患者様全体の高齢化が課題になっております。その背景には〈入院医療から在宅医療へ〉という近年の医療の流れのなか、一昔前なら入院されていたであろう精神障がいを抱えた患者様方が地域のグループホームや就労支援事業所へ通われるといったことが挙げられます。このことは大変喜ばしいことで、当院でも入院されたのち、近隣のそのような施設へ移行される方がずいぶん増えてまいりました。外来で会うと「やはり、入院しているよりも外で働いていた方が気持ち良い。もう入院は絶対したくありません」というような声を多くいただきます。ほんの少し寂しい気持ち(もう入院は…)もしますが、そのような患者様達の表情はいつも明るくこちらが勇気づけられたりしています。当院でも在宅支援の一環としてスタッフ3名で訪問看護を行なっていますが、再入院予防と微力ながら就労支援の一役を担っています。それでもどうしても入院せざるを得ない患者様方には、より快適な病棟生活をお送りいただけるようスタッフ一同腐心しております。
ところで最後に。北浜クリニック(
今月から水曜は午前中も診療いたします!)では待合中、雑誌でも読んでお過ごしいただけるようにと書棚にいろいろな書籍を置いています。その中にスタッフが買ってきた
〈100万回生きたねこ〉という絵本を見つけました!名作なのでご存知の方も多いと思われますが、同書は、ある猫が“輪廻転生”を繰り返し、その中でいろいろな飼い主(王様、盗賊、おばあさん…etc)に飼われながら、心の旅を続けるといったお話です。詳しい結論は申しませんが、彼(猫)は、どの飼い主のことも大嫌いで、何度生まれ変わっても満足できずに暮らしていました。しかし最後に最愛の白猫と出会い物語は終わる、というのが簡単なあらすじです。猫好きな私は、たまにそれを手に取って眺めてはウルウルしてしまいます。思えばもう10年以上前、出張で出掛けた横浜の路上でポンキッキーズ(児童番組)のTV収録をやっていて、ブラザートムさんが紙芝居でその物語をやっていた場面に偶然遭遇し、とても感動したことを思い出します。これがまた良い雰囲気だったのです!エラそうなことは申しませんが(?)、“愛し愛されること”、“家族を持つこと”、はとても幸福なことであると同時に、避けては通れない“大切なもの(命)を失うこと”はとても切なく、また“涙を流す意味”を考えさせられてしまいます。私の家にも2匹の愛猫(Pちゃん&クロちゃん)がいて、彼らはどんな思いで暮らしているのかな?などと思ったりもします。「クリニックに読みに来て下さい」とは言えませんので、興味をもたれた方はご一読されることをお勧めいたします。
2011年2月10日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-02-10 10:41

1月も半分が過ぎました。すっかり正月気分も抜け、今年は例年以上に寒い毎日が続いております。昨年来お伝えしていた〈オレンジ 北浜クリニック〉も本格始動となり、私は二足のワラジを履いて病院とクリニックを行ったり来たりしております。とはいえいざ開院してみると、患者様方もまだ少なく診察室から外を眺めては、車の出入りを気にする毎日です。患者様を首を長くして待つというのは、病まれた方々に失礼なので、そのような時間の隙間に待合のチラシを作ったり、関連業者の方とお会いしたり、時にはピアノに触ってみたりという、割とまったりとした時間を過ごしています。「まぁこのような経験も一生に一度有るか無いかだし…」と気分を整えつつ励んでいます。
病院内では先日、成人病棟の患者様方が〈衆楽観〉へ出掛けられました。同館は約2年前に忽然と我が街にオープンした大衆演劇場で当地の新しい観光名所になっています。市内のいたるところに「おかめとひょっとこ」のお面を載せた看板があり、かねてから私も気になっておりました。それはさておき「そこの豚まんが美味しい」とか、「結構流行ってて、時々行っている看護婦さんもいる」とかの噂は聞いていました。今回、近所の神社への初詣も兼ねて30名以上の皆様が行かれました。話によると、清水の次郎長の小政が登場する任侠芝居がとても面白かったらしく、なかには涙を流される方もおられ、皆様大満足だったとのことでした。なかなか接することの少ないプロの方の芝居や音楽にさぞかし熱狂されたことと思います。
ところで最後に。
〈この絵画〉は、以前、ある患者様のベッドサイドに飾ってあったものです。私は、時折訪室してはこの絵を眺め、「良い絵ですねぇ~」と何度もしつこく言っていたところ、「そんなに気に入ったのなら、あげるわぁ」と快くお譲りいただきました。新春の枕元にでも飾れば縁起の良い夢が見られそうなおめでたい図柄かと思います。今回掲載許可をいただいたので、ご覧下さればと存じます。さて、何匹の動物が登場するでしょう?今年もこのように平和に過ぎていけばと思っています。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます!
2011年1月16日
熊本 庄二郎 (杵築オレンジ病院)
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# by orangehospital | 2011-01-16 18:10